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重心位置やモーメントの計算ソフトで、安全な構造物を設計する原則

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08 cc3333 - 重心位置やモーメントの計算ソフトで、安全な構造物を設計する原則
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運 営 者 : 建設-BOSS

職  業 : 建設コンサルタント会社の企業内技術士(現役)

習得資格 : 技術士(建設部門)、RCCM、測量士、
      施工管理技士(各種)、ダム管理士など多数。

主なWEB活動 :
簡単に使える建設系CADシステム・技術計算ソフトの分析比較。
最良と呼べる企業ごとのシステム構築の提案。
誰もが楽に合格できる建設系資格試験の受験支援など。

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重心やモーメントは構造計算に欠かせません。

重心とは、物体の重さの中心であり、モーメント(回転量)がつりあう点です。 
材料は重心で支えるとバランスを取り、転倒や回転をしません。
そのため、重心の位置を知ることは重要になります。
また、材料の剛性(曲がりにくさ)を評価するのにもモーメントが使われます。

「安全・安心な構造物」の設計には構造計算が欠かせません。

構造物を設計する際、設計者は「安全・安心な構造物」を提供しなければなりません。
常時は重力に対して、災害時には地震や台風などに対して、人命や財産を守るような構造物が必要になります。
地震大国である日本では、地震以外の災害が設計に与える影響は小さく、基本的には、重力と地震の力に対して設計を行います。

重力は鉛直(縦)方向の力、地震は水平(横)方向の力であり、建物に与える影響は大きく違います。
また、重力は常に作用している力であり、地震力は災害時に作用するのみの力であるので、どこまでの破壊を許すかのレベルも違ってきます。

例えば、重力に対して、構造物が壊れてしまっては役に立ちません。
その一方、構造物の耐用年数中に起こるかどうかの最強クラスの地震(レベル2)に対しては、壁の倒壊や屋根の崩壊で、人命が奪われない程度の設計が求められます。

モーメント計算、重心計算のフリーソフトをまとめて紹介
そこで、このダウンロードサイトのリンク集では、モーメントや重心位置の計算ソフトがいろいろ準備されています。
これらのソフトを利用して、複雑な形状の重心位置や、モーメントを簡単に計算してしまいましょう。


記事の後半では、重心やモーメントの検討の重要性、偏心基礎や耐震壁を設計する際の工夫、計算ソフトを使う際のポイントなどついて解説しています。


重心と剛心ができるだけ近づくように設計するのが基本


重心の検討はどうして必要なのでしょうか?

「重心」とは重さの中心で、矩形の構造物ならば、ちょうど中心にあります。
「剛心」とは硬さの中心で、建物の場合、壁や柱の配置が対称であれば建物の真ん中になります。

重心と剛心がぴったりと一致していれば、偏心率はゼロになり、地震に対して捩じれるような変形を起こしません。
そのため、設計をする際には、重心と剛心ができるだけ近づくように設計するのが基本です。
複雑な形状の重心の計算には、断面一次モーメントが利用されます。

モーメント計算はどのように利用するのでしょうか

曲げモーメントに対してどの程度耐えられるかを判断するパラメータとして断面二次モーメントが使われています。
構造物の部材にかかる外力はさまざまですが、その外力に対して、いかに応力を低減できる設計を行えるのかが、設計者のスキルのひとつとなります。

また、同じ材料であれば、出来るだけ少ない材料で高い性能を持った形状にすることがコスト低減のカギになります。
上記のような理由で、「安全・安心な構造物」の設計には、重心やモーメントの検討が重要になってきます。

構造計算ソフトにはいろいろなソフトがあります

構造計算のソフトもいろいろありますが、木造、RC造、S造でソフトが違ったり、構造物によってソフトが違ったりすれば、プロジェクト毎に新しいソフトを購入しなければなりません。
ひとつのソフトで何でもこなそうと思えば、一貫構造計算ソフトという手もありますが、それなりに高価な買い物になります。

限られたプロジェクトの予算で、また、独立開業したばかりの事務所で、少人数で仕事をしている事務所で、これらのソフトを購入するのは少し勇気がいりますよね。
そのような場合、このリンク集から重心位置やモーメント計算ソフトを検討してみてはいかがですか?
建築確認申請や構造計算適合性判定の申請に使える書式にも対応しているソフトもありますよ。


引き続き、偏心基礎や耐震壁を設計する際の工夫、少ない材料費で剛性のある設計を行う上でのモーメント計算ツールの重要性について説明します。


構造設計における構造上の配慮と工夫すべきこと


偏心基礎を設計する際の工夫の秘訣

例えば、構造物の基礎の場合、隣地境界線が近い場合や、障害物を避ける場合などに、偏心基礎を採用せざるを得ない場合があります。
偏心基礎は、基礎柱芯と基礎芯が一致しません。
よって、「基礎柱芯と基礎芯の偏心分」の偏心曲げモーメントが作用します。

この曲げモーメントをいかに小さくするかが、偏心基礎のポイントです。
偏心基礎とすると設置圧が大きくなります。
また、偏心基礎は通常よりも配筋が多く必要になります。

必要配筋量の検討にも曲げモーメントの検討が不可欠になります。
偏心距離を出来る限り小さくし、その上で軸力に見合った基礎断面積の確保が必要になります。

耐震壁を設計する際の工夫はコレ

構造設計において、耐震壁をバランスよく配置するのは基本です。
例えば、住宅の道路に面した壁面にガレージのシャッター、玄関ドアなどを並べると、一方向の間口のほとんどが開口となってしまいます。
また、南側の窓を大きくとり、他の方向は壁ばかりというのも、あまりおすすめしません。

また、縦断方向のバランスで言えば、ピロティ―形式の建物は、1階の壁が少なく、2階以上は壁が多いため、剛心と重心がずれやすい構造と言えます。
このように、耐震壁のバランスに注意しないと、偏心しやすい構造になってしまいます。
窓やガレージの開口を大きくとるような場合、床をコンクリートにする、変形が大きくなる場所を柱にするなど、構造上の配慮が必要です。


少ない材料費で剛性設計を行うためのモーメント計算ツールの重要性


H鋼は軽量で曲がりにくい材料です

昨今では、コストダウンを行う目的で、軽量化への要求が大きくなっています。
軽量化のために、単純に部材の径を細くすると、部材の剛性が大幅に低下してしまいます。
こうした曲げ剛性の低下を抑えるには、部材の断面形状を工夫することが有効です。
そんなときに、モーメントの計算が役に立ちます。

例えば、矩形断面のはりをI形になるように肉抜きをします。
肉抜きをしたので、部材の剛性も重量も低下したことになります。
一般的なH鋼のサイズで考えると、断面二次モーメントが2割程度低下するのに対し、重量は5割程度の減、すなわち50%も軽量化できます。

長方形断面の材料と比較して、曲がりにくさは大きく変わらず、軽量化できるメリットがあります。
こういった理由で、H型鋼は材料が少なく、かつ、強度の高い構造であり、古くから建築・土木の部材として利用されているのです。
このように設計者は、いかに少ない材料費で剛性のある設計を行えるかを考えることが重要です。
その際にモーメント計算が手軽にできるツールは重要な道具になります。


まとめ/重心位置やモーメント計算ソフトを使って、低コストで、安心・安全な構造物を計画


荷重や重心位置計算のソフトを利用するメリット

これまでで、荷重や重心位置計算のソフトを使う際のポイントについて説明してきました。

これらのソフトを利用するメリットとして、
・高価な構造計算のソフトがなくても、複雑な形状の重心やモーメントの計算ができる。
・建築確認申請や構造計算適合性判定の申請に使える書式が作成できる。
・手持ちのソフトの足らない機能を利用することができる。
・材料や構造物毎にソフトを使い分ける必要がない。
などがあります。

重心位置やモーメントの計算ソフトを使う際のポイント

・構造物の偏心率を検討することができます。
・偏心率は0.15以下であれば、偏心の小さい構造物と言えます。
・隣地境界線が近い場合、障害物を避ける場合などに構造物が偏心せざるを得ない場合があります。
・偏心率0.15以上の場合は、開口量を減らす、柱を追加する、床を硬くするなど工夫が必要になる。
・コストダウンや軽量化の目的で材料の剛性を検討するのにモーメント計算が重要になります。
・H鋼は長方形断面の材料と比較して、曲がりにくさは変わらず、軽いというメリットがあります。

上記の理由で、H型鋼は材料が少なく、かつ、強度の高い構造であり、古くから建築・土木の部材として利用されています。
設計者はコストの面に配慮しながら、地震に強く、安全な構造物を立案したいものです。
そんなときに、この重心位置やモーメント計算が手軽にできるツールは重要な道具になります。



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      施工管理技士(各種)、ダム管理士など多数。

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