土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

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こちらの記事では、さまざまな土留計算・山留計算フリーソフトやツール、ひな形(雛形)のダウンロードサイトを紹介しています。excelテンプレートや、さまざまなフォーマットに対応できるツールもあります。山留め計算はもちろん自立式矢板工や切梁式土留工にも対応し、比較的簡単に作業することができるのでおすすめです。
リンク先ではそれぞれのソフトの特徴が記載されていますので、きっとソフト導入の参考になるはずです。ぜひクラウドから無料でダウンロードしてみてください。

また、この記事では、土留計算のフリーソフトを導入するメリットなどについて説明しています。
役に立つ、土留計算・山留計算ソフトの内容を知りたい方のために、次のダウンロードサイトを紹介しましょう。

土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

EXCEL ライナープレート立坑の計算 (矩形)

EXCEL ライナープレート立坑の計算 (矩形)0 - 土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
ライナープレート(矩形)による仮設土留めの構造計算を行うことができるシェアウェアです。矩形ライナープレート、補強リング、継手ボルトの計算、継手版の検討を行うことが可能です。ライナープレートと補強リングの組み合せ条件について、限界深さを表示します。プログラム自体はエクセルで作成されていて、随時改良や修正が行われていますので、最新のものを使用するようにしましょう。

RS-Temp.Walls 1 (試用版)

RS-Temp.Walls 1 (試用版)0 - 土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
自立式親杭横矢板土留め壁の設計計算書を作成するための試用版ソフトウェアです。ソフトウェア自体はエクセルのVBAで作成されているため、操作等で戸惑うことが少ない作りとなっています。日本道路協会の「道路土工-仮設構造物工指針(平成11年3月)」に準拠した自立式土留め壁の設計計算となっています。作成された計算書は、章題やフォントなど自由にレイアウトを変更することが可能です。

丸太積み土留工の設計計算

丸太積み土留工の設計計算0 - 土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
丸太積み土留工の設計計算を取り扱うことができるシェアウェアです。入力データや計算結果について、説明図入りで画面に出力されるため、戸惑うことが少ないのが特徴です。また、出力は、説明図入りの計算書形式でA4用紙(縦)にプリントアウトすることが可能です。なお適用範囲は、土留形式が重力式構造、土圧がクーロン式、地震時については計算不可、計算単位は従来単位、SI単位となっています。

エクセルVBAによる土留・山留め(自立)計算

エクセルVBAによる土留・山留め(自立)計算0 - 土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
道路土工指針・建築学会基準による自立土留・山留め計算をエクセルシートへ出力することができるシェアウェアです。「道路土工_仮設構造物工指針_自立式土留めの設計」及び、「日本建築学会_山留め設計施工指針_山留めの設計(自立)」に基づいて作成されています。エクセルのVBAを使用して作成されているソフトウェアのため、知識のあるユーザーの場合はカスタマイズも可能となっています。

木枠詰石構造土留工の設計計算

木枠詰石構造土留工の設計計算0 - 土留計算・山留計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
木枠詰石構造土留工の設計計算を取り扱うことができるシェアウェアです。入力データや計算結果は、説明図入りで画面に出力されます。出力された画面を見ながらの確認は非常に簡単になっていると言えるでしょう。また、A4用紙(縦)に出力することもできます。なお適用範囲は、土留形式が木枠詰石構造、土圧がクーロン式、地震時については計算不可、計算単位は従来単位、SI単位となっています。

 

土留計算・山留計算の重要性と問題点

土留工事は、掘削場所の周囲の土砂が崩れないように、鋼矢板などを地中に挿入して土砂や水の流入をブロックする工事です。

仮設工事には土留工事と山留工事があります。
どちらも同じことで、山留は土留工のほかに水中で行う締切工を合わせて総称しています。
そのため、ここの解説では、土留という言葉で統一します。

鋼矢板には土や水の重さによる圧力がかかるため、鋼矢板がもつ強度以上の力が加わると破損します。
そうなると、工事箇所に土砂が崩れ落ち、工事現場は工事が中断されるだけでなく、場合によっては、災害が起こります。

土留工の設計では、周囲の土や水の状況などを考慮して、鋼矢板を破損しないように計算しています。
設計通りに進めば、鋼矢板が破損する事故は起こりませんが、現場が設計と異なることがあります。

例えば、事前調査では砂質土壌であったものが、掘削して幾層かの砂質層と粘土層の土壌に分かれていると新たに分かったということです。
または、水のレベルが調査時点より高くなっていると判明したことです。

こうなると土留工の設計条件が変わっているため、鋼矢板の強度が十分か分からなくなり、無理に工事を進めると災害の原因となります。

現場担当者は、土留計算書をチェックし、変更となった条件を入力して再計算します。
そして、矢板の強度や侵入深さが現状でよいか、工事を進めるべきかどうかの判断を迫られます。

このときに土留計算ソフトを持っていないと、鋼矢板の強度の計算ができず、工事を中断せざる負えなくなります。
しかし、もし再計算結果、問題なしとなれば中断期間の工事が無駄になります。

このような問題を避けるためには、現場でチェックできる土留計算・山留計算ツールが不可欠です。

ぜひ、無料でクラウドからダウンロードしてみてください。
無料のソフトウェアやexcelテンプレートでも、有料のランキング上位の人気ソフトウェアやシステムと比較しても、じゅうぶん使えておすすめです。
山留め計算はもちろん自立式矢板工や切梁式土留工にも対応し、比較的簡単に使えます。

土留計算とは

土留計算は土圧・水圧による外力に対して、最適な鋼矢板のような土留壁の選定と、どの深さまで鋼矢板を打ち込むかを決める計算です。

土圧と水圧によって土留壁に掛かる曲げモーメントに対し、引張応力・圧縮応力・せん断応力の強度と断面積をもつ鋼矢板などを選定します。

さらに、現場ではボイリング・パイピング・ヒービングのような現象に対し、安定している仕様の鋼矢板となるように設計します。

土留工は、親杭鋼矢板法・切梁式鋼矢板法・控え式鋼矢板法といった支保工を合わせて使う工法と、自立式鋼矢板工法の支保工をもたない工法があります。
基本的にはどれでも鋼矢板や支保工の強度が十分であるかの計算は同様に行います。

土留計算の手順

土留計算の計算手順は、次のように行います。

礫質土や砂質土のような現場の土壌の種類から、単位体積重量、内部摩擦角、粘着力などの土質常数を求めます。

土留に作用する荷重は、土留計算の中心となります。
鋼矢板の重量である死荷重、仮設重機据付け時の衝撃荷重、土壌による土圧、地下水による水圧です。

使用する鋼矢板のヤング率や幅長さなどの特性値から、土圧と水圧に対して鋼矢板の地中の根入れ長さを求めます。

土圧と水圧に対して鋼矢板に掛かる最大曲げモーメントに対抗できる断面積を求めます。
以上から、鋼矢板の形状が決まります。

次に、鋼矢板が土圧で移動し、たわむことで変位する量を計算し、許容値以内かどうか確認します。

最後に行う計算は、水のレベルが原因で砂が吹き出すボイリング、土留背面の土壌により掘削底面が隆起するヒービングなどに対し、鋼矢板が安定しているかの計算です。

土留の再計算

現場の状況が変わったとき、設計条件が変化したとき、現場担当者は今のまま工事を進めてよいかを確認しなければなりません。

土留工事で状況変化が見られたときは、土留計算を行って変更条件でも現状のまま工事を進めてよいか再計算し、安全性を確認します。

変更となった設計条件はすぐに設計担当に送って、問題の有無の確認と設計書のリバイス版を配布してもらいます。

こうすれば工事中断による時間のロス回避ができます。

さらに、計算結果から鋼矢板の押込み量を増やすなどの設計変更が起きたときは、作業員を事故から守ることができたということになります。

もちろん、再計算は早いに越したことはありません。
無料のソフトウェアやツールはとても人気です。
ランキング上位のアプリをぜひ、クラウドからダウンロードして試してみてください。
山留め計算や自立式矢板工・切梁式土留工にも使えて、操作も簡単でおすすめです。

土留計算のフリーソフト

水のレベルが少し高いというような単純な現場状況の変化に対し、現状のまま工事を進めてもよいかの判断は、現場担当者が土留計算ソフトを持っていれば、土留計算することで当面の対応が可能です。

土留計算は、手書きの計算でも十分可能です。
エクセルをベースとした計算フリーソフトを利用すれば、計算が速く確実に計算が行えます。

エクセルの土留計算のフリーソフトやシステム、アプリは、鋼矢板の剛性データや土壌のデータを別表で参照できます。
そのため、表を見ながらデータを拾い出すといった手間が省けてたいへん便利です。

さらに、土留計算用の帳票打ち出しとも連動するため、関係者に計算結果を渡して、問題の有無の確認ができます。

土留め工の設計・施工における土留計算の重要性

軟弱地盤ではポータブルコーン貫入試験による事前検討が大切

ポータブルコーン貫入試験は、粘性土や腐植土などで構成されている軟弱地盤を対象に、地盤の土層構成、硬軟の程度、建設機械のトラフィカビリティ(通行性能)などを判定するために行うものです。試験自体が簡易で迅速に行えますが、人力で貫入させるため軟弱な粘性土しか貫入できません。
ポータブルコーン貫入試験で使用する試験機(コーンペネトロメーター)には、ロッド周面の摩擦を含めて測定する単管式と、ロッド周面の摩擦を除いて測定する二重管式の2種類があります。単管式の適用深さは3〜5mであり、それ以上の深さに適用する場には、二重管式が使用されます。
ポータブルコーン貫入試験により測定されるコーン貫入抵抗値は、粘性土を対象として室内で行われる一軸圧縮強度試験の結果と相関があるため、コーン貫入抵抗値から一軸圧縮強度、粘着力、N値、CBR値を関係式により算出することができます。
また、コーン貫入抵抗値と地耐力の関係式が導き出されており、軟らかい粘土質地盤と締まった粘土質地盤の許容地耐力が推定できます。
一般的には、工事を安全に進めるために柱状図を活用して施工方法の検討を行いますが、軟弱地盤の場合は、柱状図だけでは置換が必要な層厚を判定できません。そこで軟弱地盤にて工事を安全に進めていくためには、ポータブルコーン貫入試験を実施し、コーン貫入抵抗値の関係式を活用して、施工方法を検討することが非常に重要です。

ネット上には、ポータブルコーン貫入試験の試験データをエクセル(excel)形式で簡単に整理、処理できるテンプレートやツールがたくさんあります。
フリーソフトは、たくさんあって迷いますが、おすすめ比較ランキングサイトなどでの評判を参考に人気のアプリやツールを選ぶとよいでしょう。

土留計算による事前検討で土留め工のトラブル回避を

土留め工の掘削に伴う地表面沈下量の算出方法

『道路土工 仮設構造物工指針』によると「土留め壁背面地盤の変位に関する実験や、現場計測結果によると、地表面沈下量Asと、土留め壁の変形に伴う変形土量Adの間に、As≒Adの関係が認められており、これを利用して地表面沈下を検討する方法がある。ただし、地下水位低下による圧密沈下の影響が大きいと考えられる事例では、As>Adとなっており、このような場合には、別途圧密沈下を計算し、地表面沈下量を加える必要がある。」とあります。
上記に基づき、土留め工の仮設設計計算を行い、計算結果の土留め壁の最大変位量から変形土量Adを算出することで、地表面沈下量が算出できます。具体的には、最大変位量からCADを用いて鋼矢板の変形図を作成し、その影響範囲を考慮して地表面沈下量の想定図を作成することで、地表面沈下量を算出することができます。土留め工において、掘削に伴う地表面沈下量を把握しておくことは、施工計画を立案する上で非常に重要です。
有限要素法(FEM)を用いて地表面沈下量を推定する方法もあります。有限要素法は、連続体を細かく分割し多数の独立点の物理量を求める数値解析手法ですが、簡単なボーリング調査結果では、一般的に詳細な土質試験データまで調査されてないため、そのデータから有限要素法で求められた評価結果は有効とはいえませんので、参考程度として扱ってください。
土留め工の施工箇所に重要な構造物やインフラ設備などが近接する場合には、地質調査を行い詳細なデータが必要となりますが、施工計画段階では、土留め工の仮設設計計算の最大変位量から地表面沈下量を推定し、詳細な土質調査については、関係者と調整して判断してください。
市街地の軟弱地盤における土留め工による開削工事において、掘削途中で地表面沈下量が大きくなったときに、土留め壁を安定させるための対策を実施すべきか判断する必要があります。N値が小さい軟弱地盤では、変形土量が弾性域の範囲であれば大丈夫ですが、急激に変形土量が大きくなる塑性域になると、地盤は変形を元に戻すことができなくなり、地盤が破壊してしまうこともあります。N値が小さな地盤では、弾性域としてひずみ量を2%程度が限界と考えられるため、危険と判断すべき地表面沈下量と掘削深さは「限界地表面沈下量(m)=0.02×掘削深さ(m)」で表すことができます。
例えば、5mの掘削深さであれば、0.1mの地表面の沈下が発生した場合、地盤が弾性域から塑性域に入ったと考え、土留め工を安定させる対策を実施する必要があると判断できます。

鋼矢板の引き抜きに伴う地盤沈下量の算出方法

仮設工では土留め壁として鋼矢板が広く使用されますが、鋼矢板の引抜きに伴い周辺地盤の沈下が発生いたします。地盤の沈下量の予測手法については、過去の実績などから推定することが可能であり、鋼矢板によって土砂が付着して空洞となる断面積が異なり、鋼矢板の深さ・引抜延長・枚数により、付着する土砂の量が算出できます。これにより、鋼矢板を引き抜くことによる影響範囲における沈下量を推定することができます。
特に、粘性土は鋼矢板に確実に付着するため、地盤が沈下することを想定して、施工方法・対策を検討する必要があります。
また、近接してインフラ設備や重要な構造物などがあれば、影響が大きくなります。例えば道路があれば、道路面の舗装の沈下、下水道があれば、下水管の沈下が発生すれば、大きな問題となります。したがって、施工計画を立案するときには、地盤沈下の防止を考慮して施工方法の検討を行ってください。

地表面沈下量、地盤沈下量などの算出にあたり、土留計算・山留め計算のソフトウェアやシステムが、たくさんリリースされていますので、活用してください。
有料の製品版だけでなく、無料でダウンロードできるフリーソフトもたくさんあります。製品版のソフトウェアの購入前にフリーソフトをダウンロードし、実際に自立式矢板工の計算、切梁式土留工の計算などに使用してみてください。自分にどのツールがあっているのか、さまざまなツールを比較してから、見つけるのがベストな検討方法です。

地盤に応じたリスク回避対策の事前検討は必須

砂層ではボイリング対策の検討を

透水性が大きい砂質土地盤において、遮水性の土留め壁を用いて掘削する場合、掘削の進行に伴って、土留め背面側と掘削側の水位差が次第に大きくなります。この水位差により掘削底面下の地盤内で上向きの浸透流が発生し,浸透圧が地盤の有効重量を超えると、砂が湧きたつ状態になり、掘削面の安定が損なわれて、最悪の場合は土留めが崩壊する現象をボイリングといいます。
そのため、砂層における土留め工の仮設設計計算においては、ボイリング対策の検討を行う必要があります。対策工としては、市街地などで重要構造物などが近接している場合には、底盤止水改良工法を採用します。また、近接する施設などがない場合は、地下水位低下工法を採用します。

施工方法によりパイピング対策の検討が必要になる

パイピングは、ボイリングが局部的に発生し、鋼矢板の際やオールケーシングによる基礎杭周面などに沿って進行し、パイプ状にボイリングが形成される現象で、ウォータージェット、アースオーガ等で乱された部分で発生します。
硬い砂地盤では、鋼矢板を圧入工法で打設しようとしても、鋼矢板を圧入することができない場合があり、ウォータージェットを補助工法として使用することがあります。
パイピングの現象が現れたら、直ちに対応しないと危険な状態となりますので、パイピング発生のリスクのある施工方法を採用する場合は、事前に対策を検討しておく必要があります。

盤ぶくれ対策の検討が必要なパターンとは

粘土層の下に砂層がある場合や、砂層でも上層が難透水層(透水係数の小さな砂層)で下層が砂層の場合は、盤ぶくれが発生しますので、盤ぶくれ対策の検討が必要です。
また、下層より透水係数の小さな砂層が上に存在する場合は、過剰間隙水圧が発生することがあり、この場合はボイリングと同じ現象となります。
『道路土工 仮設構造物工指針』によると、盤ぶくれとは「地盤の状態は、掘削底面付近が難透水層、水圧の高い透水層の順で構成されている場合、難透水層には粘性土だけでなく、細粒分の多い砂質土も含まれます。さらに掘削底面の破壊現象は、難透水層のため上向きの浸透流は生じないが難透水層下面に上向きの水圧が作用し、これが上方の土の重さ以上となる場合は、掘削底面が浮き上がり、最終的には難透水層が突き破られボイリング状の破壊に至る」とあります。
つまり、盤ぶくれとは、土留め工の掘削に当たり、根切をする位置に薄い粘土層が存在する場合、被圧地下水の力により粘土層に上向きの水圧がかかり粘土層が押し上げられ、掘削底面が変形を起こして膨れあがり、掘削底面が破壊する現象です。
また、対策工としては、市街地などで重要構造物などが近接している場合には、底盤止水改良工法を採用します。また、近接する施設などがない場合は、地下水位低下工法を採用します。

土留計算・山留め計算などの計算ソフトの人気アプリやエクセルテンプレートは、フリーソフトでも実務に使用できるものが多くあり、さまざまな計算機能にも対応しております。
主な計算機能としては、自立式矢板工の計算、切梁式土留工の計算、簡易山留め計算、自立式土留計算、自立式鋼矢板計算、軽量鋼矢板計算、鋼矢板根入れ長、親杭横矢板計算、changの式の計算などがあります。
ソフトにより対応する計算機能も異なりますので、比較検討の際には、必要な計算機能が付いているかどうかを確認してみてください。

土留計算・山留計算の注意点

土留計算(山留め計算) の必要性とその種類について

土留とは、構造物を建てるとき、基礎を築くために地面を掘りますが、周囲の土が崩れないように、防ぐための仮設の構造物です。構造物には土からの圧力が掛かりますが、土留が崩れないために、土留計算(山留め計算)を行って、強度のある土留工事が必要です。土留工事の種類には、自立式矢板工、切梁式土留工、グランドアンカー式、控え杭タイロッド式、補強土式などがあり、自立式は土留壁の根入れ部の抵抗だけで土の側圧を支える方式で、その他は、何らかの支保工などで土留を支えて側圧への強度を高めている方法です。土留めに使う構造物は、矢板が使われます。矢板の種類には、親杭横矢板、鋼矢板、鋼管矢板、ソイルセメント壁、場所打ち鉄筋コンクリート壁などがあります。
土留計算(山留め計算)には、壁の強度計算、鋼矢板根入れ長さのモーメント計算、切ばりの断面力計算、土留め壁の剛性の剛性計算、支保工反力計算などがあります。さらに、矢板などの応力度計算があり、使用する矢板に応じて、簡易山留め計算、自立式土留計算、自立式鋼矢板計算、軽量鋼矢板計算、親杭横矢板計算などの強度計算が必要です。
矢板材の曲げ強度・ヒービング安定度・土圧バランス・切梁材軸力などの計算を行う土留計算や矢板計算では、無料のフリーソフト、アプリ、シェアウェアのソフトなど人気のソフトウェアが多く出されています。矢板も各種のものに対応した計算が合って、計算結果を矢板図とともに表すなど、自分の仕事に合ったフリーソフトを探すために、ソフトをダウンロードして比較すると合ったものが見つかるでしょう。ソフトの多くはエクセル(excel)をベースに作られ、マクロを使ってツールやテンプレートを現場に合わせて入力しやすいように作られています。土留計算(山留め計算)をシステム化して、あらゆる土留型式に対応できるようにしたソフトウェアや、道路中に配管を通すための土留計算に特化したシステムソフトウェアなど、有料とは言え、ダウンロードして試用して比較するのもおすすめです。

自立式土留工の根切深さの限界とは

調査の結果、地盤がよく締まっていると判定できれば、自立式土留工を使うために自立式土留計算を行って採用を決めたいところですが、地盤が軟らかいと、自立式土留工は無理があります。その理由は、土留壁の変形量が大きくなって、変形量を小さくするために土留壁の剛性を高めることになりますが、土留め壁の長さが長くなってしまい、経済的に成り立ちません。
掘削を行う傾斜地では地盤高さに差があり、片側だけ土留を行うという施工条件のケースがあります。根切深さが3 mを超えると、鋼矢板が倒壊する恐れがあり、自立式矢板工の土留工はできなくなるため、切梁の代わりにグランドアンカーを使う方法や、斜め切梁を用いる方法が採用されます。傾斜地の建築工事ではよく使う斜め切梁手法は、構築する構造物との取り合いと、斜め切梁の撤去手順の検討が必要です。
どのような地盤に設置する自立式土留工の根切深さは3 mまでが限度です。
自立式鋼矢板計算に代表される土留計算の無料フリーソフト、アプリで、土留計算ランキングが上位にあり、人気のソフトやアプリが多く出されています。自立式鋼矢板の設計計算に特化したというわけではなく、親杭横矢板計算や鋼矢板根入れ長さ、切梁式土留工に係る設計・計算まで広く対応しているのが特徴です。ツールやテンプレートをいろいろなパターンの鋼矢板計算に対応できるようにしたエクセル(excel)ベースのソフトでは、計算結果と簡単な図面と連動させているエクセル(excel)ソフトもあります。鋼矢板計算も架線に特化したもの、道路に特化したものなど分野ごとに特化したものもあり、ダウンロードして比較してみるのもおすすめです。

土留壁の剛性を高める2つの方法

土留壁の変形を抑制する方法には、土留壁の剛性を高めることですが、剛性を高めるには次のような方法が2点あります。
・鋼矢板の型式を1ランク上げることで、Ⅱ型からⅢ型、Ⅲ型からⅣ型、Ⅳ型からⅤ型に変更します。
・土留壁に使用する鋼矢板の断面二次モーメントは、全断面有効の45%とします。
土留壁に使用する鋼矢板の型式を1ランク上げると、コストが増加しますが、もし、頭部の固定だけでよいとなれば、コストの増加はわずかで済みます。ここで注意することは、仮設構造物工指針にある自立式土留工は、根入長さ計算について、土留め壁をⅡ型からⅢ型に、Ⅲ型からIV型に挙げて剛性を向上させても、根入長さが長くなります。自立式土留工は、根切深さを3mまでとしていますが、自立式土留工は根切深さを3 m以下として土留計画を進める必要があります。もし、3 mを超えて根切深さの土留工を計画するときは、根切深さが3 mとなるように、周辺の土砂を撤去することを要領書に示すべきです。

硬い地盤への鋼矢板打設の工夫

鋼矢板を市街地で打設するときは、振動と騒音が起きないような工法を使う必要があり、鋼矢板の打設には、油圧圧入引抜工とアースオーガ併用圧入工が使用されます。
硬質地盤への鋼矢板やH形鋼の打設は、硬い地盤内に圧入する方法以外ないため、砂層ではパイピングを検討して必要な鋼矢板根入れ長さとします。また、必要な鋼矢板根入れ長さを決めるために、ボイリングの検討も同時に行う必要があります。硬質地盤の土留工は、施工方法の設計変更が必要となるため、必要な鋼矢板根入れ長さが変わっても良いような、土留工の簡易山留め計算と仮設設計計算が必要です。

工事の担当者は、いつでも土留計算や山留計算ができる準備をしておくことが大切です

掘削したあとで周囲の土砂が崩れないようにする工事が、土留工事です。
周囲の土砂が崩れないためのポイントは、着実な工事を行うことはもちろんです。
もう1つのポイントは、土留計算をいかに正確に行うかに掛かっています。

土留計算ソフトは、たくさん種類があります。
どれを使っていいかわかりにくいという難点もあります。
また、フリーソフトやエクセルを使った土留計算のサンプルやテンプレート、ひな形(雛形)も色々あるので、集めるのが大変です。

軟弱地盤での土留工は鋼矢板の共下がり防止対策とは

土留壁となる鋼矢板で締め切って掘削を行う場合、自立式鋼矢板計算によって算出された鋼矢板を直線状に打設して自立式土留工を行う場合、一般的には、鋼矢板は仮設リース材を使用します。繰り返し使用された鋼矢板は変形していたり、溶接により継ぎ足されたりして、継手に摩擦抵抗がかかるようになり、自立式鋼矢板計算に狂いが生じる可能性もあります。軟弱地盤での土留工は、先に打設した隣接の鋼矢板が、継手の摩擦抵抗により、一緒に打ち下がってことが起きます。鋼矢板の打設高さが揃っていないと、土留壁が低い箇所に対して継足しが必要となり、コストが余計に掛かるため、鋼矢板の共下がりを防止する対策として、次のようなことを行う必要があります。
・共下がりする鋼矢板と、先に打設した隣の鋼矢板の、継手を溶接します。
・山形鋼などを使ってボルト止めや溶接を行い、鋼矢板を一体化します。
自立式鋼矢板計算(自立式土留計算)は、河川構造物などに対しての設計は、changの式によって行い、道路設計ではchangの式ではなく、道路土工・仮設構造物工指針、によって行います。
なお、自立式鋼矢板計算(自立式土留計算)は、軽量鋼矢板にも使え、軽量鋼矢板計算も自立式鋼矢板計算(自立式土留計算)と同様の計算で行うことができます。
自立式土留計算のような土留計算をシステム化したソフトウェアも多くの会社から出され、それぞれの特徴があり、比較して試用することもおすすめです。どのソフトウェアも、国土交通省土木工事標準積算基準書に基づいた計算を主体とし、CADとの連携やメーカーのデータ(鋼矢板の諸特性データなど)とも連携し、素早く結果と帳票が出るため、ユーザーは評価するだけという出来栄えです。フリーソフトの多くも国土交通省土木工事標準積算基準書などの基準に基づいているため、計算の誤りはなく、むしろ正しくデータを入力できるツールが備わっているかが比較のポイントです。ダウンロードしての機能の比較などもおすすめです。

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